――小学4年生の夏 父親を殺した。 僕は[父親だったモノ]をジッと見つめた。 人間ってこんなもろいんだ。 僕の手で殺した。 僕の手でも殺せた。 もう1回、あの赤が見たい。 どうしたら見れるか、 その方法を思いつくのは 簡単なことだった。 僕はお母さんの死体を 切った。 もう1回 もう1回 あの綺麗な赤を 美しい赤を見ようと でも、もうだめだったみたいだ。