「そう……ですか」
「残念ですが、勘違いではないでしょうか? でも、その会いたい人に会えると良いですね」
あからさまな私のリアクションに、優しく声をかけてくれた青柳さん。私は「すみませんでした。ありがとうございます」と頭を下げてから逃げるようにしにその場を去った。
「ああ、もう……やっちゃった」
青柳さんの事をイツキだと勘違いして、下の名前を無理矢理聞き出してしまった自分を少しだけ後悔。
だって、青柳さんの最後の笑顔なんだか引きつってた。……きっと、引いたんだろうな。私に。
となりのメガネの人も驚いてたし、とんでもない迷惑かけちゃったな……申し訳ないし、恥ずかしい。
罪悪感と、羞恥心と、それから物凄く残念な気持ち。
たくさんの感情に見舞われながら私はプロジェクトの会議が行われている会議室へと向かった。

