Polaris



◇ ◇ ◇


「三浦、唯川、行くぞ」

「あ、はい」

「はい」


あの三浦くんに衝撃の告白をされてから一週間が経った今日、私達はまたJEC本部へと向かっていた。

三浦くんと私は、相変わらず。

私の言ったことを理解してくれたし、今までとは変わらず接して欲しいという三浦くんの願望から、今までとは変わらず接している。


「ああ、また緊張してきました」

「あはは、私も」

「プロジェクトも本格的に進んできたし、これからのナチュラルファクトリーが楽しみですね」

「うん、そうだね」


他愛もない会話を交わしながら、JEC本部へと入っていく。

初めて来た時と比べると、緊張はマシな方だけれど、まだ慣れてはいない。

ドクンドクンと高鳴る胸をおさえて私達は社内を進む。すると、そんな私達の横を通り過ぎる何人もの社員の中に私はあの人を見つけた。


「いやー、今日はあっついねぇ」

「そうだな。でも、お前暑い方が好きだったろ」

「あはは、そうだったっけ?」

「それより、今日の調子はどうだ」


メガネをかけた男性と二人並んで、見たことがないくらい楽しそうに歩いているあの人。