「凄く良いお店だね。素敵」
「はぁ。良かったー」
相当気にしていたのか、私の一言に安堵の息を漏らす三浦くん。私は、そんな彼の姿に自然と笑顔になり、ちょっとした緊張感は無くなっていた。
「……あの、突然なんですけど」
「ん? 何?」
「唯川さんって、彼氏いますか?」
「えっ? な……なんで?」
ペラペラとメニュー表を捲っていた私の指先がピタリと止まる。そして、ドクン、と胸が少しだけ大きく跳ねた。
ゆっくり三浦くんの表情を伺うと、三浦くんは何やら真剣な表情をしていて、私の中にまた緊張感が戻ってきた。
「ただ、単純に知りたいんです。僕……唯川さんのこと好きですから」
「へ……な、えっ⁉︎ ちょっと三浦くん、何言って……」
「僕、本気ですから。もし唯川さんに彼氏や好きな人がいても諦めないつもりです。そのくらいには、本気です」
「え……な、ええ? ちょっと、三浦くん……?」
これは、何かの聞き間違い?
あまりにもストレートで信じられない言葉ばかりが並ぶから、私の頭はもう爆発寸前だ。もう、何がどうなってるの。

