この会社に入っただけでも凄まじい緊張感に包まれたのに、それに加えてあんなに大きいプロジェクト会議への参加。
やっとそれを終えられたことから、ぐっと込み上げて来た安心感。それから、こんな風にリラックスした会話が出来る嬉しさからか、私は珍しく落ち着きがなくなっていた。
「やっぱり! あー、私だけがこんなに緊張して珍しく思ってるのかと思ってたから安心した」
「そんなことないですよ。僕もめっちゃ緊張してましたもん。でもそんなこと言える空気じゃなかったし……」
「だよねだよね。あぁ、本当に無事終わってよかった。なんだか解放された気分」
「本当にそうですよね……って、あ!唯川さん!」
「えっ……?」
────ドンッ!
「うわあっ……‼︎」
三浦くんが目を大きく開いて私を呼んだ瞬間、しっかりと前を見ていなかった私は、誰かの肩辺りに顔をぶつけてよろめいてしまった。
倒れると思い、反射的に目を閉じた。……しかし、私の身体は宙に浮いている。
ゆっくりと瞼を開く。どうやら私は、ぶつかった人に肩を支えられたから倒れずに済んだらしい。

