最後の挨拶も済み、私達ナチュラルファクトリーの社員は順に会議室を後にする
。そして、驚くほど広いJECの会社内を歩き出入口を目指した。
まずはエレベーターへ乗り込み、一階へと移動。当たり前だが、沢山のJEC社員が私達の横を通り過ぎていく。
すると、私の横を歩く三浦くんが辺りをキョロキョロと見渡して一言。
「唯川さん、ずっと思ってたんですけど……ここ、広すぎません? 改めて凄いですよね。JECって」
「あ、三浦くんも思ってた? 私も凄い広いから驚いちゃった」
「ですよね、ですよね。もうなんか入った瞬間緊張しちゃって」
「あはは。私も」
JECの広さと、ドンとした構えに感心する私と三浦くん。同じように思っていた人がいたことに少し安心し、それと同時に興奮を覚えた私は再び口を開き、三浦くんを見た。
「あ、ねぇ、三浦くん。ほら、もうあれだけで凄くない? あの大きな受付」
「ああ!それ僕も思ってました!」
私は出入口手前にある大きな受付を見て、三浦くんに同意を求める。
どうやら三浦くんも同じように思っていたらしく、何度も大きく頷いた。そのことに私はまた何故か安心して気持ちが高ぶった。

