このプロジェクトに関わる予定だった女性社員の突然のオメデタ報告。おまけに、その女性社員はオメデタ報告だけではなく、会社を去るというのだから驚いた。
確かその女性社員は、まだ25という若い年齢だった。そんな若い子がオメデタ報告が出来て、おまけに薬指には婚約指輪まで付けられていて羨ましいったらありゃしない。
……なんて、そんなことはとりあえず置いておいて。
その女性社員の穴埋めを誰にするかともめたところ、この三浦くんが私を推薦したらしく今に至る。
「よーし、来たか。乗れ乗れ」
「あ、はい。お邪魔します」
「すみません、お邪魔します」
私と三浦くんは早速、このプロジェクトのリーダーを務める上司の車へ乗り込み、電機メーカーJECへと挨拶に向かった─────。

