────プルルルル。
「はい。お電話ありがとうございます。ナチュラルファクトリー商品受注センター、唯川が承ります」
北海道旅行から地元京都へと帰って来た翌日、私は早速仕事に励んでいた。
相変わらず周りでは、芹川さんや今井さんを始め、男性社員が冷たい視線を送ってきている。だけど、そんなものが気にならないくらい私は次々と親機を手に取り、仕事に没頭していた。
……その理由は、もちろん、イツキ。
既読のついたまま、丸1日帰ってきていないメッセージ。トーク画面に残されているのは《会いたい》という私の送った4文字の言葉だけ。
こんなの、初めてだった。イツキは仕事中でない限りメッセージを確認するのも早いし、返事も人一倍早い。
丸一日ま返事を返さない事なんて今までに無かったのに。
そう考える度、私はイツキに嫌われてしまったことを酷く痛感する。
やっぱり、面倒くさいと思ったのかな。やっぱり、所詮はネットだから会うなんて考えられないのかな。
それとも、単に会いたくなかった?
考え始めれば、キリがない。どんどん悪い方向へと考えてしまい、私はその無限ループへと陥ってしまう。

