すぐに付く、既読。
やっぱり今朝は忙しかっただけなんだと、私は半ば無理矢理確信する。
《おー、それじゃあ北海道の美味しいものいっぱい食べたんだ?》
《うん、おかげでお腹いっぱい》
《北海道いいところでしょ?》
《うん、凄く良いとこだと思う。だから明日で終わりなのが少し悲しいな》
これは、自分なりのちっぽけな勇気。自分なりのちっぽけなアピール。
私は明日までしか北海道に居ない。だから、明日までにイツキに会いたいの。……そういうアピールのつもり。
だけど、そのアピールに気づかなかったのか、もしくは、気づかないフリか。
それはイツキ本人にしか分からないけれど、イツキからの返事は私の期待とは大きく外れた。
《明日まで北海道満喫して楽しんでね》
期待していた言葉とはまるで真逆だった。
〝明日まで北海道満喫して楽しんでね〟というイツキのメッセージは、私からすれば〝会わないよ〟というメッセージにもとれた。
俺は会う気が無いから、明日まで楽しんで帰ってね。と、そういう風にとれてしまうのだ。

