Polaris


私と詩織は函館朝市でたくさんの海の幸や北海道の名産物を堪能し、その後ロープウェイで函館山へ移動。函館の夜景を楽しんだ後、ホテルへとチェックインした。


「はぁーー! 最高だった!」

「美味しいものも沢山食べれて、夜景も綺麗で充実したね」

「うんうん。でも疲れたー……ってことで! 私ちょっと一瞬寝るから! おやすみ!」

「え、あ、うん」


突然ベッドにうつ伏せて、早速寝始める詩織に戸惑いつつも、私も同じようにベッドに寝転んだ。そして、しばらく確認していなかったスマホを取り出してメッセージを確認。

すると、今朝は来ていなかったイツキからの返事が確認できた私は、ほんの少し口角を上げた。


《返事遅れた。ゴメン。旅行か何かかな? 今日はどこを観光したの?》


このメッセージの後には、ちゃんと可愛らしいクマのスタンプが添えられている。

ただ、期待していた〝会おう〟という言葉は無かった。


《今日は函館朝市と夜景を見てきたよ》


私はすぐに指先を動かし、メッセージを送信。次の返事で、会おうと言ってくれないかな……なんて、想いを乗せて。