「キョンキョン、ごめんって!本当に!反省してるから許してよぉー」

本当に必死で宥めてくる樹が面白くて、私はつい怒っているような態度を取り続けてしまうけれど、本当はさっきまでの苛立ちのようなものはとっくに無くなっていた。

いつも樹の言葉に振り回されているんだ。だから……ちょっとくらい、いいよね?


「嘘。怒ってなんかないよ。ちょっと面白くて怒ったフリしちゃった」

「ええっ⁉︎ 嘘なの⁉︎ そんなぁー……酷いなぁ、キョンキョン」


しばらく樹が焦っているのを楽しんだ後、私は笑ってネタバラシをした。すると、樹は安心したように笑った。


「で、何話してたのよ」

「あ、いやー……それは」

「言えないの?」

「えっとー……あー、まぁ、いいか。仕方がない。キョンキョン、目閉じて少しだけこっちに体寄せてくれない?」

「え? ……こ、こう?」


ベッドの横に立った私は言われたとおり目を閉じ、少しだけかがむようにして樹の方に上半身を近づけた。