Ｐｏｌａｒｉｓ

「そうなのかい？ それは可哀想に」

「そうなんですよぉ。本当に、唯川さん怖いんです」

「そうだねぇ。彼女、仕事は出来るけど、周りに厳しいところも確かにあるよねぇ。それに、独身で彼氏もいないらしいし……キミが可愛くて若いから、嫉妬でもしているんじゃないのかい？」

「でもぉ、だからってあんな風に毎日怒られるのはちょっとー……」

「うーん。そうだよねぇ」


また、こうして悪者へと成り代わっていく自分に溜息が出そうだった。


……いつもそうだ。

気持ちを抑えきれずに、何でも構わず言ってしまう私。その性格のせいで、気がつけば私はいつも悪者になっていた。

それは、私の言ったことが正しくたって、間違っていたって関係ない。

正しいことを指摘したり、主張したりしたって、私はいつもこうだった。最後には嫌われ者になっていた。


……まあ、とは言っても、根本的には私の性格が悪いんだけど。