どうするべきか、なんて考えたって分からない。だけど、本当は自分がどうしたいかということだけは、ちゃんと分かっていた。
それでも、自ら動き出す子ができずにこうして家でうじうじとしている私は、本当に駄目な人間だと思う。
「会いたい……」
そんな事を言ったところで、会えるわけじゃないことも分かっている。
それでも私の口は、願望しか並べられない。
ピーンポーン────
「わっ……びっくりした」
突然、大きく鳴り響いたインターホンの音に少し驚く私。腰掛けていたソファーからゆっくりと起き上がり、玄関へと向かった。
誰だろう……郵便か何かかな。
そんな事を考えながら玄関に立ち、ゆっくりとドアノブを握り開ける。すると。
「え……なんで……」
「……どうも」
そこには、ここに来るなんて思ってもみなかった人がいた。

