このまま順調に進んで、このまま三浦くんの事を好きになれたら……と、そんな事を考えながら過ごしているうちに時計の針は退勤時刻を迎えていた。
「……よし。帰ろう」
立ち上がり、急いで帰り支度を終わらせた私は少し急いで席から離れた。
すると、そんな私の向かいから歩いてきた人物に声を掛けられ、私はその場にぴたりと立ち止まった。
「あ、お疲れ様。最近何だかいきいきしてるね。唯川さん」
「宮部さん、お疲れ様です。あ、えっと……そんな風に見えますか?」
声を掛けてくれたのは、宮部さん。これから残業をするのか、たくさんの資料を抱えている宮部さんに私は最近いきいきして見えるらしい。
まあ、他の人にもそういったことは言われるのだけれど……そんなにも以前と違うだろうか?
「うん。少なくとも俺にはそう見えるかな」
「そう、ですか……」
これは、どうリアクションするべきなのだろう。喜んでいいものか、それとも、笑ってごまかすべきか。
そう考えていると、宮部さんは「そんなに困らないでよ。良い意味で言ってるから」と言って面白そうに笑った。