正直、この2人には手を焼いている。

私達、受注センターで働く者は全国各書店から注文を受け、その注文部数をパソコンを使いデータ打ち込みするというのが主な仕事。

さほど難しい仕事ではない。でも、それでも重要な仕事だ。

各書店へお客様が取り寄せを希望し、そして、その書店の方が私達受注センターへ注文を依頼をする。

もし、データ入力を間違えてしまったり、データ入力をし忘れていたりすると、注文依頼をして下さったはずの書店へ荷物が届かず、クレームへの発展。信用問題へと繋がるのだ。

しかし、彼女たちにはそれが分かっていないのか、何なのか。全くこの仕事を大事に思ってくれなくて、それどころか、仕事を覚える気すらないようにも見える。


「あーあ。早く帰りたぁい」

「本当だよねー。私も早く帰りたい」


彼女たちの手は動くことなく、唯一動いている口からは、そんな願望か、さっきのような愚痴ばかり。


……もう。本当、呆れる。

みんながそうな訳じゃないとわかっていても、彼女たちを見ていると、これだからゆとり世代は。と思わずにはいられない。