幸せになる為の選択をし、幸せになることを決意した昨夜。

私と三浦くんは恋人同士となり、一度だけ、幸せになろうという決意と誓いを込めたキスも交わした。


「おはよう」

「あ……お、おはよう」


会社の最寄駅出口で私の事を待っていてくれた三浦くん。そんな三浦くんと合流した私は、二人並んで会社へと歩き始めた。

今までにも、偶然駅で会ったからと一緒に話しながら出勤することはあった。だけど、今日は違う。すごくドキドキして、少しの違和感を感じる。

それは、多分、私達が恋人同士になったから。


この緊張や感覚に、いつかは慣れていくのかな?

慣れて、私は三浦くんを好きになって、お互い一緒にいることが当たり前になるのかな?


「……あの、唯川さん」

「あっ……な、なに?」

「もう、さん付けの名字呼びはやめましょうか。なんか、変ですよね。一応、恋人同士だし……」

「あ……う、うん。そうだよね。敬語もやめよっか。もう全然気にしなくていいよ」

「分かりました。ちょっと難しいですけど、ちょっとずつ慣らします」


はは、と恥ずかしそうにはにかむ三浦くんの横顔が眩しい。眩しくて、なんだか可愛くて、私もつられて笑ってしまう。