「前にも言いましたけど、僕なら絶対にそんな表情(かお)させません。相手が青柳さんだって、この気持ちは変わらないですから」
「えっと……三浦くん……」
真っ直ぐに私のことを見る三浦くんの視線が熱い。見られているだけなのに、段々と頬が熱を帯びてくる。
そして、その熱に私の心はぐらりと揺すられている。
「青柳さんのことを好きなんだから、僕のことを好きになってもらうまでに凄くたくさんの努力と時間が必要になるのも覚悟してます。それでも、唯川さんの事が好きで……唯川さんが欲しいと思ってます。だから……僕のところに来てください」
絶対、幸せにします。
三浦くんの言葉が、まるで矢のように胸に突き刺さる。
彼の言葉で、また大きく揺れ始める自分の心が嫌になる。どうしてこうも女は〝幸せ〟というワードに弱いのか。
どうしてこうも、私は、幸せというワードに揺れているのか。
三浦くんの元へ行けば……と考えている私は、きっと、幸せというものを欲しているのかもしれない。
私は……ただ純粋に、ただ普通に、幸せになりたいだけなのかもしれない。

