〔相楽の血族だから〕とか〔ダサい〕とか。


そんな言葉聞きなれてる。


今更ほかの人に言われたくない。



そう思っていると、『棗』は言った。


『亜理紗の恐怖心を煽るなといわれてたが、仕方ない。いい獲物が前にいるんだもんなぁ…。』


｢どういうことよ？私は相楽の血筋だという自覚はあったわよ。…きゃっ！｣



私は、『棗』に腕を引っ張られた。


そのせいで、床にしりもちをつき、メガネを落とした。


そのおかげで、何も見えなくなった…。


けど、『棗』の声が急に緩やかになった。


『余命半年の亜理紗に言っておく。ある契約をすれば、寿命は延びる。その契約内容は言えないが…』


私は言い返してやった。


｢いい加減、正体を教えなさいよ。あなたは何者なの？｣