「なに、なに、まさか楓様からデートにでも誘われた?」


この会話を聞いていた香菜が嬉しそうに私に話しかけてきた。


「んなわけないでしょ」


「えー、でも、『土曜日、空けとけ』ってデートじゃん!」


私を肘でツンツン突きながら、キャッキャッ言ってる香菜。


「いや、違うでしょ。第一、私バイトあるから」


「バイトより楓様だよ!」


「いや、桐谷よりどう考えてもバイトだから」