お金持ちなんて大嫌い!

私は九条の背中を見ながら、涙がこぼれそうなのをグッと堪えた。


そして、自分の胸をそっと手を当てる。


ドキドキ……


それはとても心地よい心臓の音。


ずっとこのドキドキに気づかない振りをしてきたけど。


もうきっと誤魔化せない。


このドキドキの正体。




私、九条のことが、





───好き、なんだ。