低くて冷たい、そんな男の人の声。


「え……?」


私は振り向きざまに声をあげた。


だって私の後ろにいたのは、


九条だったから。


「九条……くん、こそ何でこんなところにいんの?」


そう私は問いかけたけど、九条は目を伏せ、何も返事をしない。


それどころか私を空気のような扱いでダンボールの方へと覗き込む。


ああ、無視ってやつですか。
そうきましたか。


何でこんなに無愛想なんだろ、この人。