私の言葉が耳に入ったのか、九条が顔を上げる。


おもむろに目が合って、少しだけ胸がドキッてしてしまった。


「お前、何読んでんだよ?」


「あ、これ?『アインシュタインの相対性理論についての見解』って本だけど」


……全く興味が持てそうにない題名。