飲み物の名前を発せられた声の方へ私は顔を上げた。


「……は?」


すると、そこには。


「外部、聞こえてんだろ。コーラだよ、コーラ。あ、ダイエットじゃないやつな」


桐谷楓がいた。


「ダイエットコーラじゃないやつって、アンタの趣味とかどうでもいいんですけど。何これ?」


そう言って、私は100円玉2枚を差し出す。


「貧乏人は金がないだろうと思って先に金を渡してやってんだよ。優しいだろ?」


「は?」


なに、この人、全く会話が噛み合わない。