「はぁ〜……」


あの後、わたしはバイトを理由に九条の家から立ち去ってしまった。


足早に出て言ってしまったから七海くんはきっと戸惑っていたに違いない。


九条のことはもう忘れる。


忘れよう。


忘れた方がいいんだ。


そう何度も自分に言い聞かせた。