ーガラッ


桐谷が乱暴に保健室のドアを足で開ける。


「チッ、また保険医がいねーじゃねーかよ」


アイツ、いついるんだよなんて愚痴を零しながら私を丸椅子に優しく降ろしてくれた。


乱暴な言葉とはウラハラに桐谷の行動が優しくてなんだか変な感じがした。


「ほら、足出せよ」


「えぇっ!足!?」


「ほら、そこ。血でてんだろ?消毒してやっから」


「え…?」


下を向くと右足の膝小僧からは真っ赤な血が滲み出ていた。


「ケガ人に手を出したりしねーよ。ほら」


「あ、うん……」