結局昨日はお父さんは桐谷を叱るどころかヘコヘコしたばかりだった。


私が怒られることもなかったけど、桐谷が帰った後もずっと桐谷を怒らせることをするんじゃないよとずっと言ってた。


ありえない……父さえにも自分の権力を振りかざすなんて。


「はぁ〜〜」


「そんなにため息ばっかりついてると幸せが逃げてしまいますよ?」


香菜がチョコを摘みながら忠告をしてくる。


「もうこれ以上幸せが逃げていくことはないから大丈夫」


「全くそんなことばっか言ってるから結衣子は彼氏ができないんだよ〜」


そう言いながらこの前ダイエットするって言ってたばかりの香菜の手は止まることない。