スイーツ男子



後ろから
あたたかい人の温もりを感じる。



このシャンプーの香り…



「廣田くん?」



「ちゃんと返事ぐらいしろよな。
しかもマットで寝るとかさ…もっと危機感持てよな?見つかんなかったらどーすんだよ。」


なっ!なーーー!
安心して涙出そうになったのに、
そっそんな言い方ないじゃないですかー。


「べっべつに!何日間かここで過ごしだった問題なかったですし!!」



「ばかか。だから俺のそばから離れるなって言ったろうが」



「なっなんですか!体育の授業だったんだから仕方ないじゃないですか!!」



「…こんなところに閉められる前に、気づけよ。」


…それは。確かに…何日間か経ったし、
何もされないかなって思って甘く見てたのは…私のせいだ…


「ばか」


そう言うと、廣田くんはもう一度私に抱きつき、頭を優しく撫でた。


「心配かけて…ごめんなさい。」


そんな廣田くんの姿に、
喧嘩腰な私も素直になってしまう。


「ばか…心配した」


「見つけ出してくれてありがと」