「おい!」 「へ?」 「バス来るまで1時間あるから、 海見に行くぞ」 そう言うと、私の手を取り、 潮の匂いのする方向に歩いた。 歩いてすぐ、 砂浜はないけれど、 テトラポットから見える海と、 それを囲むように大きなビルが並んでいて… 「なんか…落ち着くね」 「ああ。海の音、なかなかいーな」 「あの。さっきは面倒なことばかり言って、 すみませんでした。」 「…今日のは全部俺が悪い。 だから謝んな。俺らしくねぇよなーほんと」