「親、正式に離婚したんだ」
正式に…
それは離婚前に何かがあったということで…
私はそれに気がついてあげられてなくて…
タケルに何もしてあげられなかったということで…
付き合っていた頃、
私の前ではいつも笑顔でいてくれたタケルは…
無理してたってことで…
タケルの彼女として…失格だったということで…
だから嫌われても仕方がないということで…
「私何も知らなくて、気がつかなくて…ごめん」
「言わなかったし、気がつかれたくなかった。」
「そんなに頼りにならなかった…?」
気がつかれたくなかった。
それは私が頼りないからで…彼女として、
役に立たなかったってことで。
「違うよ。その逆。俺の意地…だな。」
「意地?」
「湊は…
正直、俺よりもずっと包容力があるから
一度甘えたら、もっと、もっと甘えたくなる。
もっともっと…
ずっと離れられなくなる。
そしたら俺ダメになるからさ。
男の俺が湊を守らなくちゃ何ねえのに、
それじゃ湊を守れない。
だから怖かった。
ガード張ってた。
でもさ、さすがに親同士の喧嘩もピークで、
結構俺的にも辛くてさ、
もうガード張れなくて、
一歩進んじゃいそうになったから、
湊を遠ざけた。
バカだろ?本当…」

