「湊、行こう」
やめて!っと言おうとした瞬間…
真田くんに手を引っ張られ、
教室を出てひたすら走る。
足を止めたと思ったら、
体育館裏にある部室まで来てしまった。
「ごめん。俺、気が動転して…
部室まで来ちゃったな…ははっ。
はずっ。それより、湊大丈夫か?」
「ううん。ありがと!真田くん!」
「家まで送ってく」
「なっ。そっそんな!いいって、大丈夫!
真田くんは部活に行って?お願い!」
「でも心配だから。家まで送らせて。」
真田くんがこんなに慌ててるところ、
初めて見た…
真田くんが慌ててるおかげて、
私が少しだけ冷静でいられる…
「もう平気。ほんとだよ?
それに真田くんがレギュラーに
なってくれないと、試合見に行けないから!
その方がやだし!だからお願い。
練習行って?
ねっ?」
「……わかった。
でもなんかあったらすぐ連絡して?」
「うん。ありがとう心配してくれて」
「俺も部活終わったら連絡するから」
心配かけちゃった…悪いことしちゃったな…
それにしても真田くんって優しい。
「うん。ありがとう!じゃあまたね」

