レンタル彼氏


カランカラン

ドアに取り付けられた鈴が鳴り、客が来たことを知らせる
うん。なんともいい雰囲気。

ここで深呼吸でもしたい衝動に駆られるが、
外出先であることを思い出してやめた。

「いらっしゃいませ」

とても愛想のいい店員があたしを席に案内する。
愛想はよくても、若いからか髪を金髪に染めている彼に
どうも好感はもてなかった。

まあ、どうせバイトなんだろう。
会社にいるドジな新入社員を彼に重ね合わせ、あたしはひとりでぷふ、と笑った。

「お客様」

いかん。
ここは外出先で、仮にもあたしはオンナ。
どうも好まない若者であっても、オトコの前で醜態をさらすわけにはいかない。

あたしは気を取り直し、すまし顔で彼のほうを見た。

ふうん。
なかなかイケメンじゃない。
顔だちは男らしいし、半袖シャツからのぞく腕にはほどよい筋肉がついていて、
こんがりと焼けた小麦色の肌は、健康的な様子を連想させる。

明るい金髪が、とてもバランスよく見えた。