桜道【実話】

『もしもし?』


朝早くに

ナオの携帯が鳴った。



『あ~はいはい!

いいね~了解っす~』



【ドクン!!誰??】



ナオの

携帯から女の声がもれる。



あたしは

寝たふりをした。



【だれ?

前の彼女?友達?】



電話はすぐ切れたが

あたしは落ち着かない。




『タバサ~

お腹すかないか?』



ナオが

あたしを揺すって起こす。



《あっうん…すいた…》



見つけたピアスと

さっきの電話で

ちょっと不機嫌な態度に

なってしまう。




『コンビニ寄るな!』


ナオは気付いていない。



あたしは

ますますイライラする。



自分の勝手な妄想に

イラ立ちを

押さえられない。




あたし

こんなに

嫉妬深かったっけ?




あたしは

顔の見えない影に

嫉妬している――――