フゥーと息を吐いた。

デートなんてないから。

…彼にフラれたから。





そっと腕時計を見て、ケイタイを取りだして電話をした。





「はい。終わったよ!そうなんだ!
行くね〜」



ケイタイを閉じて、私は足早に歩いた。





「早いじゃん」



エプロンをして出迎えてくれたのは梨花。

奥には聖也がいた。



そう。私が出向いたのは《a more》だ。
数ヶ月前にも来たなぁ。





「聖也と一緒に奥に行って?
私もすぐに行くから」