「杏菜は心境として、ツライでしょ」


「楽しいよ。今は大丈夫。幸せだよ」




近くにいるだけでいい。教室でも部活でも会えて、これ以上はないんだ。



「それ、そのうち杏菜が苦しくなる気がする」



梨花が私の方を見る。大丈夫って言った私は、細川クンを意識した。



目…キリッとしている。細川クン、カッコイイ。
顔立ちが男らしい。



「は!私だ。職員室行ってくる」



そう言って梨花が声を荒げていた。
そこで机にあった教科書が床へと、ドサドサ落ちた。



本を拾う時だった。そこへと…