細川クンはケイタイを握りしめ、
外へ飛び出た。




「高田、何してんだよ?もう帰れ」

「大丈夫。もっといたい」



そう。私は細川クンに会いに来た。

細川クンも私の受験前日に来てくれたから。



どこに自宅があるか分からなくて、聖也に聞いた。




「震えてるよ!
…声が小さいのって理由が分かったよ!」

「あっ。バレた?」

「何してんだよ。行こう」



手を握られ、私は自宅へと細川クンの大きな手で戻されてゆく。