「…ねー、杏菜ぁー」

「どうしたの?」

「凄いことが起きたの」




夏も近い、梅雨空の頃。


梨花がハジけた笑顔で、私に話しかけた。




「何?」

「…彼女になれた」



そう頭には、大喜びの聖也が映しだされた。
聖也…やったね。




「相手は?」



はぁ…聖也まさかね…