「俺、杏菜の近くがいいなぁ」



と肩をつかんで、低く枯れた声でユウくんが言った。




「チョット…馬鹿じゃない」


「冗談。行けよ」



冗談がきつい。ユウくんの冗談は、
私にはきつい…。




「高田。早くしろー」


「はいはーい」




ユウくんに苛立ちながら、先生の言うことを聞いた。




「37」