「ほら、この中の紙引いたら席につけ!」



これまでに席替えはなかった我がクラス。
いつも私の周りにユウくんがいた。




「嬉しいな」



半分寂しさを堪えるユウくん。
うんうんと頷いて答えた。




「また近くになるかも」


「そうだよ。まぁ《高田》繋がりだから」


「杏菜、同時に返事はやめてね」


「やめて。ヒドイ。やめようね」




紙を手にした女子が大はしゃぎ。
男子もざわつく。