「あっ、細川クン」



張りつめた表情が崩れ笑って、私を見ながら外を見つめる梨花。



私は、昨日の夕方を思いだした。


昨日、細川クンはずっと隣にいて支えてくれた。
部活もあったのに。



『ゆっくりする時間ないけど』



謝ってばかりの私に、おちゃらけて細川クンが言った。
笑顔に癒されたり、心が痛んだりした。
そして…



『最後に言うけど、俺が部活に行かなかったこと悔やむな?
俺には自分なりの覚悟があるから良いんだよ』


「でも…そんな」


「気にすんな。そうだよ、俺が気にかけたんだから」