鳴海 ロナ __幼少期







『おと、うさん…
またどこかにいっちゃうの?』




あの頃、幼かった私は
父が携わっていた仕事や生き様を知らなかった





ただ…ただ純粋に父が好きだった





ほぼ毎日家には帰ってこない父…




たまに帰ってきたかと思えば
その日の数時間後にはまたどこかへ
行ってしまいそのまま一週間…2週間……
ある時は1カ月以上も帰ってこない日もザラっだった





「ロナ……いい子で待ってるんだ
お父さんは必ず帰ってくる、だから
悲しい顔をしないで常に笑っていなさい」






この言葉は玄関先から
父が私に向けていつも問いかけていた言葉






”必ず帰ってくる”







そう言って帰って来てくれる父……










そんな生活が
約16年間も続いたある日のことだった