「あいつが…好きだ…」
本当に馬鹿だ…。あんな奴のどこがいいんだ。あたしなんかでも女の子扱いしてくれたからか?
理由はなんだかよくわからない…。でも…優に惹かれてる自分がいる。
「…そう…。なら頑張って優を振り向かせればいいんです」
朔はそう言って、あたしの頭を撫でる。
こいつは本当に優しい奴なんだな。今日会ったばかりのあたしに、優しく接してくれた。
「…あたしに……出来るか……」
正直不安だ。全く自信が沸いて来ない。
これは喧嘩とは訳が違う。女の子らしさなんて、全然わからないのに…。
「その為にプリンセスの修行をしてるんです。自分に磨きをかけて、自信を持つ事が大事ですよ」
今の、やっている事に自信を……。
朔の言葉に、強く頷く。
その通りだ…。今のあたしは、紀美代さんみたいな大人の色気のいの字も無いけど…。


