「菜智ちゃんは、優を見ててどう思う?」
またもや唐突な質問に、あたしは目を見開く。
見てて思う事と言えば…。
「しいて言うなら、殺意が生まれるな。とりあえず消してしまいたい……」
第一、あたしを悩ませるなんて、何様だ!!
そう言ったあたしの目は本気で、朔は笑いを引き攣らせる。
「そ、それ以外では?例えばさっき、姉さんと優が仲良くしてたのを見た時とか……」
その言葉に胸がざわめく。
あの時は……。
「…胸が痛くて…。いつもはあたしを追いかけてくるくせに、
今日は来なくて…それが苦しいんだ」
そう言ってあたしは、胸を押さえた。
優の事を考える度、こんなに苦しくなるなら、いっその事忘れてしまいたい。そう思うくらいに。
「でも…。優にとってあたしも、他の女と変わらないのは分かってる」
だから…。
優が近付いてきても、冷たく突き放してしまう。
「そんな自分がたまに、嫌いになるんだ…」
あたしだけを見て…。他の女なんか見るな。
ならいっその事、離れてしまいたい。


