「送っていきます。ここからなら歩いても、そう遠くないですから。あの分だと私も、居た堪れないですしね」
朔は苦笑いを浮かべた。
「……………………」
二人で何をしてるのか、どうしていつもみたいにあたしを追いかけてはくれないのか…。
そんな事ばかりが頭を過ぎって、より一層気が沈む。
「…………菜智さんは…」
不意に名前を呼ばれ顔を上げると、優しく自分を見つめる朔の瞳とぶつかった。
「……………」
朔の視線を受け止めて、次の言葉を待つ。
夕日が朔を照らしている。もうそんな時間だったのかと、今更ながらそんな事を考えていると…。
「優が好きなんですか?」
信じられない言葉が聞こえてきた。
驚きで言葉が出ない。きっと自分はものすごい顔をしているのだろう。
「あたしが………誰を……?」
誰を、好きだと…?
あの、へらへらした変態を?思わせ振りで、好きって言うくせに、あたしの事なんて本当に好きかもわからないのに…。


