「あ、あのっ!?」 恥ずかしさのあまり、その手を避けると、朔は小さく笑う。 「さっきはあんなに勇ましかったのに、今は林檎みたいで可愛いですね」 その言葉に顔が熱くなる。湯気が出そうだ。 「私の前では普段の話し方で構いませんよ。気にしませんから」 その笑顔に押されて、あたしは喋り方を元に戻した。 「気を使わせたな、すまない朔」 そう言って改めて、あたしは頭を下げる。 「良いんですよ、あなたの本当の姿を見れてよかったです」 そう言って扉を開くと、辺りはすっかり、日が暮れていた。