「合格ですわ」
その声でハッと優と朔は二人を見つめた。
ー菜智sideー
「次からは実際に、花を生ける練習をしますわ。心してかかりなさいませ」
そう言って紀美代さんは、優に抱き着いた。そして上目遣いで、優を見上げる。
「優〜?疲れましたわ、癒して下さいませ」
そう言ってくっつく紀美代さんを優は優しく抱きしめた。
「紀美代さん……俺で良ければ喜んで」
そう言って優は、妖艶な笑顔を浮かべる。
何だ……あれ……。あんな顔をする優は、見た事がない…。
「菜智」
紀美代を抱きしめた、まま優は振り返える。
「後でご褒美…あげるね」
そう言った優をあたしは睨みつける。
今までの感情とは違う、本当に軽薄した眼差しで。
「いらない。それと…あたしの名前を気安く呼ぶなヘドが出る」
今までの言葉、今までの行動は、あたしに対してだけのモノじゃなかったんだと気付いてしまったからだ。
そう言って、部屋を出た。
「……………菜智…」
優が、あたしの出て行く姿を呆然と見つめていたとは知らずに。


