「ほら、二人とも冗談はそこまでにして、早く中に入って下さい」
先ほど現れた男性の言葉で、二人はようやく離れた。
「…ふぅ………」
あたしは小さく息を吐く。良かった…。何はともあれ、彼のおかげで助かった。
あのままキスするんじゃないか、なんて気がきでなかったから。
「……………ん?」
なんであたしが、そんな事気にするんだ?関係の無い事だろう?
「全く…優もやめて下さいよ!姉さんをからかうのは」
そう言って男性はため息をついた。
「まぁまぁ怒らないで、朔(サク)も今日手伝ってくれるんでしょ?」
優は笑顔で男性を肘でつつく。
「そうですよ。で、そちらの方が?」
男性の視線が自分に向き、ようやく皆あたしの存在に気付いたようだ。


