「なんだよ…それ…」
どこまでが冗談で、どこまでが本気なんだ?
いや…。
きっとこいつにとって、こういう言葉はコミュニケーションの一つで何とも思ってないんだ。
こんなのに一喜一憂してたら、自分が傷付くのは、目に見えてる…。
「そろそろ行こうか」
優はそう言ってあたしの手をとる。
ードキン、ドキン。
静かにしてくれ…、あたしの心臓……。こんなの……いつもの事だろう?
あたしは空いている方の手で、そっと胸を抑えた。そして手を引いて、前を歩く優の背中を見上げる。
…お前はあたしをどう思ってる?
あたしは……お前をどう思ってる…？
優の気持ちも、あたしの気持ちも、今は何もハッキリとしない。それに、あたしの心は戸惑っていた。
