「はい!今日の紅茶」
そう言って優はあたしに紅茶を渡す。
今ではどんな紅茶が出ても、その匂いや味わいなんかで種類が分かるまでになっていた。
最近優はランダムで紅茶を出して来る。
「今日はアールグレイか。優が入れる茶は、悔しいが美味い…」
笑顔で紅茶に口を付けると、優は嬉しそうにあたしを見つめてきた。
「それは嬉しいね」
そう言って優は何故かあたしの隣に腰を下ろす。
「……………おい」
あたしは隣に座る優を睨みつけた。
「こんなに広いソファーに、なんで肩がぶつかる程近くに座る必要がある」
近い…近すぎる…。狭いし紅茶が飲みにくい。
「知りたいの?」
今までに聞いた事の無いような低い声であたしににじり寄る。


