「そういうものなの?俺には、分からない感覚だ…」
優は心底不思議そうにあたしを見る。それを見た途端、あたしの中でスイッチが入る音がした。
「よし!決めた!!」
こいつの間違った高校生活、叩き直してやる。
「あたしが、お前の生活楽しくしてやるよ!だから、これから授業ボイコットな!」
「う、ん??」
優は目を見開いて、あたしを見つめる。そんな優の手を引いて、そのまま教室を出て、歩き出した。
「菜智?転入初日でボイコットは…」
「知らん!!」
「えぇ~」
それでも優は、されるがまま、あたしについてくる。
「優、屋上とか無いのか??」
「屋上?」
「まぁ、とりあえず高いとこだよ!」
空でも見て、もっと気をはらないでいられる時間が、コイツには必要なんだ。
「それなら、屋上庭園がいいよ。コッチだよ」
「おお!」
今度は優があたしの手を引き、階段を登っていく。そして…。


