こいつら、笑顔なのに目が笑ってない。
なんというか…うまくいえないけど…。
琢磨や佳奈とは違う…。
「優様、今度我が家の新設ホテルが出来ましたの、ぜひご家族でいらして下さいな」
「それなら、我が家の旅館でも…」
「次のパーティーで、我が家の…」
なんだ、これ……。
ここ、学校だろ??皆自分の事ばっかり優に売ろうとしてる。
「そうなんだね、その時は是非…」
優も、いつもあたしに向ける笑顔とは違う、作りモノの笑顔を浮かべて、答えている。
「息が…つまる……」
あたしは俯いて、そう呟いた。
「菜智、どうし……」
「優、行くぞ」
そう言って優の手を引いた。


